国内外フィールドワーク等派遣事業　研究成果レポート

源氏物語を中心とする在外日本古典籍の調査

ヴァージニア大学図書館、ハーバード大学美術館

　ヴァージニア大学図書館では、残念ながら期待していたような古写本ではなかったが、日本語テキストイニシアティブによる、古典作品のe-text事業について触れることができ、有意義であった。
ハーバード大学美術館においては、源氏物語の古写本を閲覧することができ、滞在中に校合を終えることができた。

源氏物語の鎌倉期写本の調査は急務である。
今回、特にハーバード大学美術館で閲覧した写本は、鎌倉期の書写といっても、極初期のものであろうことが窺われ、大変に貴重なものであると思われた。他に日本の他機関に所蔵されている、ある写本と僚巻であろうと思われるが、それは今後の調査を待たなくてはならない。
当該写本における字母の使い方などの特徴について、他本と比較しながら研究を進めることで、鎌倉初期あるいは平安末期ごろの源氏物語本文について、研究を進めることができると思われる。
今回は貴重なデータを持ち帰ることができた。

※現在論文にまとめているところであり、一部の成果については非公開とする。