交流会第2部 趣旨

  (学生合同セミナー実行委員会) 

本企画は、教員と学生の交流を推進するためのものである。我々学生は、学問諸分野において、先導的で国際的な活躍のできる研究者を目指して、日夜奮闘している。高度な専門的知識・能力の修得することは自明としても、たとえば新しい研究へのチャレンジ精神を備えること、たとえば創造性を身につけることなど、そのための課題は尽きない。また、各々が熱心に研究の深化を図れば図るほど、二律背反的に陥りがちな問題もある。ややもすれば研究活動全体が近視眼的になりがちであるというようなことである。こうした中、他領域の学問に触れる機会は貴重である。日常触れ得ない、様々な知識を吸収することによって、思いもかけないひらめきを獲得するということもあるのである。そういった、いわば化学変化ともいうべき作用が、自らの研究に益するところは大きい。

六専攻からなるわが文化科学研究科において、こうした化学変化を期待しないわけにはいかない。専攻の枠を超えた教育研究活動を推進していくのはそのためである。ただし、ここには学生間の交流に加えて、学生と教員の交流が欠かせない。今回は自らの所属する専攻の教員だけではなく、いつもはめったに会うことのできない他専攻の教授陣と直接会うチャンスであった。文化科学研究科が誇る教授陣は、同時に各専攻を置く大学共同利用機関の第一線の研究者でもある。我々は、専攻の学生が一堂に会する合同セミナーにおいて、先生方から学術調査等で初めての海外に赴いた時の貴重な体験談を聞く機会に恵まれた。若き日の先生方が日本を離れた場で、何を思い、何を得たのか。こうしたお話の中から得た感慨が、領域を超えて学生たちの研究に、大きな刺激を与えることとなったのである。

 



 

○小長谷有紀(地域文化学専攻長)

○鈴木貞美(国際日本研究専攻 教授)

○安田常雄(日本歴史研究専攻長)

○武井協三(日本文学研究専攻 教授)