学生支援相談員紹介

  【学生支援相談員


【後期】

梅 定娥 国際日本研究専攻(国際日本文化研究センター)
(継続) 【前期】任期:平成18年5月1日~平成18年9月29日
【後期】任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail :mei
  1. 博士論文研究の概要
     「満洲国」という特別な社会、歴史環境の中で、日本と中国の間の文学交流がどのように行われていたのかを究明することを目的とする。新しく作られた「満洲国」には新しい文化、文学のコンセプトを必要とした。「満洲国」の各民族の作家たちはこのコンセプトの内容についてそれぞれ受け止め方と理解が違う。被支配的な立場におかれた地元の「満人」(中国人)作家たちは、「描写真実、暴露真実」という線に沿って文学創作を行いながら、外国、特に日本の文学作品を数多く翻訳した。彼らが翻訳した日本作品の内容は時勢とともに変わってきている。この変化は彼らの日本や「満洲国」、ないし「大東亜戦争」に対する見方と姿勢に繋がる。彼らが当時の日本の政策と文化をどこまで受け入れたのか、また、どこまで反発したのかを明らかにすることは、これからの日中文化交流と理解にも役立つと考えられる。

  2. 国際日本研究専攻(日本文化研究センター)活用方法
   

 日文研は国際的、学際的、総合的な観点から日本文化に関する研究を行う基盤機関で、その中に設置されている本専攻も、同じ視点から教学をすすめている。本専攻には、様々な専門分野の先生方と院生が在籍しており、世界各国からの日本文化の研究者もおられる。また、日本研究に関する共同研究会が数多く開催されており、ここで国際的、学際的、総合的な研究発表と議論を聞くことが出来る。本専攻の活用として、共同研究会の参加と、日本研究に関する海外資料を多く所蔵している図書館や各種のデータベースの利用があげられる。相談員のできる仕事は、上記の活用に対する情報提供とコーディネートが主要なものと考えられる。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     日本文化研究とは、もはや日本の国の枠内に閉じ込もり、日本にある資料だけを使って行う研究ではなくなってきた。外国にある日本文化に関する資料を調査し、諸外国の研究者の研究成果をも取り入れなければならなくなってきている。こうした状況を念頭においてこのプログラムを活用すればいっそう効果があらわれるのではないかと思われる。


KORNEEVA SVETLANA    国際日本研究専攻(国際日本文化研究センター)
(継続) 【前期】任期:平成18年5月1日~平成18年9月29日
【後期】任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail :kornneva
  1. 博士論文研究の概要
     切腹の歴史社会学的研究である。切腹は、まさに生身を切り裂いて命を奪う行為である。その身体的、社会的、文化的な意味は広くかつ深い。それ故に、切腹という事象および概念それ自体をめぐって、多くの誤解・誤認が未だに解かれていない。博士論文においては、近世の切腹を中心に、その実態とイメージの両者に着目し、「切腹」の多様な意味合いを論証し、検証する。具体的には、身体論、責任論、行為論、シンボル論を援用し切腹現象の分析を通して、武士社会の美意識、道徳意識、名誉意識の深層を明らかにしたい。さらに、現代におけるその意味合いを解明することを目的としている。

  2. 国際日本研究専攻(国際日本文化研究センター)活用方法
     日文研は、学際的・国際的・総合的な視点から、日本文化を研究対象に研究を進めている。国内外から様々な専門――経済、政治、社会学、歴史、文学、考古学など――の研究者が集まっている。それぞれの専門から文化の個別的な問題のみならず、学際性をもつ問題にも取り組んでいるのが特徴の一つである。日文研の先生方・研究者は大変フレンドリーでオープン、知見溢れる方々ばかりで、研究に行き詰まったら、いつでも相談にのってくださる。さらに、シンポジウム、研究会、セミナーが多く行なわれ、興味のある催し物があれば、傍聴・参加をぜひ薦めたい。他専攻の院生が日文研の豊富なデーターベース、催し物、研究財産を活用できるよう、努めたいと思う。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     「総合日本文化研究実践教育プログラム」は、他専攻同士の交流のみならず、国内外のフィールドワーク申請等を可能にし、若手研究者にとって研究を広めるための可能性が豊富に備わっている。相談員として、新たな可能性の開拓に貢献したいと思う。

三野 行徳   日本歴史研究専攻(国立歴史民俗博物館)
(新規) 任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail :
  1. 博士論文研究の概要
     「19世紀、国家官僚組織・成員の解体・変容に関する総合的検討」
幕府官僚制・成員「家」(旗本・御家人・維新官僚)を素材に、19世紀の維新前後の国家官僚組織やその成員「家」の解体-再編・変容・連続を検討する。
具体的には、特定の旗本家や御家人家、幕府の組織、身分集団を対象とし、維新前後のその動向を、国家政策との関わりから検討する。

  2. 日本歴史研究専攻(国立歴史民俗博物館)活用方法
     国立歴史民俗博物館(歴博)は、その名の通り、歴史・民俗・考古学を専門とする博物館で、日本歴史研究専攻には、歴史学・民俗学・考古学を専攻する学生が在籍しています。
同館の利用方法としては、同館が所蔵する歴史資料の利用があります。所蔵資料については、HP上の検索システムで検索することが可能ですが、資料の利用については、なかなか外部の人にとっては慣れないものです。資料を実際に利用したい時は気軽に声をかけてください。
また、同館の展示を利用した研究や調査を行うことも可能だと思います。同館では、普及事業としてさまざまな企画も行っていますので、そのような点からのアプローチも可能だと思います。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     本プログラムのメリットは2点あると考えている。
一つは、個人的に行うには資金的に困難な研究をに取り組む機会が得られることで、遠方への調査や、私費では購入(複写・撮影)困難な史料・資料を用いた研究を行うことが可能となる。当然、このような研究には、その普遍性や社会還元へ向けた計画(ハードル)が求められるが、それはむしろ当然であり、それが具体的な成果となる段階で、論集や報告会などによって成果を形として残すことを義務づけてもよいと思う。ただ、利用してみて感じたことだが、その使途には、HP上の案内を読んだだけでは良く理解できない基準があるようでもあり、その点で、とまどうことがあった。
メリットのもう一つは、基盤期間を母体とする総合研究大学院大学ならではの、学際的・国際的な企画が可能になることである。従来、博士後期課程では専門性を高めることに重点が置かれるが、自らの可能性を高める上でも、(表面的ではない)学際的な交流は欠かせない。しかし、そのような機会を自ら設定することは、なかなか困難であるが、本事業により、そのようなことが可能になる企画を自ら考え、実行し、あるいは参加することが可能となる。
いずれも、今後研究者として研究成果の社会還元を目指す我々にとって、今後どのようなことが可能なのかを考え、体験するうえで、貴重な機会であると考えている。


村山 絵美   日本歴史研究専攻(国立歴史民俗博物館)
(新規) 任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
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  1. 博士論文研究の概要
    「沖縄戦の伝承に関する民俗学的研究」
沖縄は、第二次世界大戦において軍人はもとより住民をも巻き込んだ地上戦が展開された場である。沖縄県本島南部地域は、沖縄戦終焉の地であり多くの戦跡や慰霊塔が存在し「霊域」として整備され、現在はその体験を次世代に伝える平和教育の中心地となっている。博士論文においては、沖縄戦に関する伝承を民俗学的視点から考察し、その伝承過程を検証する。具体的には、南部戦跡を舞台に戦跡観光・平和教育の一環として語られる話を、話し手と聞き手の関係に注目した分析を通して、戦争体験者から非体験者へと移行することで、何が語られ、何が語られなくなっていくのかを明らかにする。さらに、戦死者を意識した語りの背景に、沖縄の信仰がどのように関わるのかなど、戦争の伝承における文化的・歴史的背景を解明することを目指している。

  2. 日本歴史研究専攻(国立歴史民俗博物館)活用方法
     歴博の魅力は、歴史学、考古学、民俗学、情報資料などの日本の歴史・文化研究を専門とする研究者が多数在籍し、館所蔵の実物資料及び情報資料を直接活用する研究指導が受けられる点にある。歴博では、専門分野のみでなく隣接分野にも視野を広げることができる授業が数多く行われている。他専攻の方も積極的に参加できるように、サポートしていきたい。また、歴博で行われる展示やシンポジウム、共同研究に参加される場合は、最大限の支援が出来ればと考えている。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     他専攻の方と交流できる機会は、持てるようでいてなかなか難しい。総合日本文化研究実践教育プログラムを利用して、他専攻の方と意見交換をすることで、分野を超えた知の交流が図れることを期待している。また、このような機会を積極的に設けていくことで、他専攻との相互交流が総研大における大きな特徴として定着していくことを望んでいる。

奥本 素子 メディア社会文化専攻(メディア教育開発センター)
(継続) 【前期】任期:平成18年5月1日~平成18年9月29日
【後期】任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail :okumoto
  1. 博士論文研究の概要
   

・デジタルアーカイブを使った博物館学習の発展
博物館体験というものは来館者の先行知識によってその体験の深さが変わる。ただし現在の博物館の展示は来館者個人の先行知識を考慮して構成されているものではない。つまり素人にも専門家にも同じ学習リソースしか提供していないのだ。(同じ展示品、同じ解説、同じ構成など)
博物館の性質上、学習者に合わせて学習リソースを組み合わせて提供していくことは難しい。しかしデジタルアーカイブではそれが可能である。学習者の志向に即した解説、展示品、構成などを組み合わせて、学習者が自分の先行知識を利用して学習できるバーチャルミュージアムを開発する。

  2. メディア社会文化専攻(メディア教育開発センター)活用方法
     NIMEではメディアと人間の関係を文理両面から研究しています。文科系の研究でも最近ではテクノロジーを使った研究が盛んに行われています。ぜひNIMEを活用して、皆様の研究を発展させてください。
たとえばNIMEではバーチャルリアリティの研究が盛んです。またデジタルアーカイブについても研究しています。貴重な文化財を分析する際にご参考にしてください。また各地の人々をインターネットで結びコミュニケーションを促進させる研究も行っています。世界を股にかけて研究をされている方にはぜひ利用してもらいたいシステムです。
私、奥本は通常NIMEで研究しておりますので、お電話でもメールでも、あるいは直接来られても対応可能です。皆様がNIMEのリソースを活用されて、ご研究をご発展できるよう努めてまいりたいと思います。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     私の研究は博物館の中にある文化財というコンテンツをどう活用させていくかという研究です。しかし文化科学研究科の他専攻では文化というコンテンツそれ自体の研究を行ってらっしゃいます。文化科学研究かで明らかになった文化の魅力というものを、うまくテクノロジーを利用したNIMEの研究で世に広めていけたらと期待しています。

 

石橋 嘉一 メディア社会文化専攻(メディア教育開発センター)
(新規) 任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail :
  1. 博士論文研究の概要
   

e-learningを利用した英語「コミュニケーション能力」育成に関する総合的研究
―ヨーロッパ共通参照枠(CEF)を利用した教材開発と効果研究を中心に―

研究テーマ:
(1). e-learningを中心とするメディア教材を利用したコミュニケーション能力育成の現状把握と実態調査
(2).各研究領域・分野(言語教育学、教育・発達心理学、コミュニケーション学等)におけるコミュニケーション能力の定義と理論的枠組みについての考察
(3).CEFにおけるコミュニケーション能力の概念と理論的背景、構成要素(知識と技能)、方略、使用場面、熟達度に対する共通参照レベルの考察
(4).上記3項目からe-leaningを利用した英語コミュニケーション能力育成の可能性の検討
(5).上記4項目から(1).教材、評価ツールの開発、(2).効果的な利用方法、教育支援のあり方等の検討


  2. メディア社会文化専攻(メディア教育開発センター)活用方法
     専攻の特徴を考慮すると、メディアを媒体とした情報公開の支援ができると思います。インターネットの様々な機能を利用して、他専攻の研究プロジェクトや研究成果の公開のお手伝いができると思います。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     各研究機関を基盤としたネットワークを利用し、学問横断的な研究プロジェクトの立ち上げとその研究成果の今後に期待しています。

一戸 渉 日本文学研究専攻(国文学研究資料館)
(継続) 【前期】任期:平成18年5月1日~平成18年9月29日
【後期】任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail : 
  1. 博士論文研究の概要
   

・デジタルアーカイブを使った博物館学習の発展
博物館体験というものは来館者の先行知識によってその体験の深さが変わる。ただし現在の博物館の展示は来館者個人の先行知識を考慮して構成されているものではない。つまり素人にも専門家にも同じ学習リソースしか提供していないのだ。(同じ展示品、同じ解説、同じ構成など)
博物館の性質上、学習者に合わせて学習リソースを組み合わせて提供していくことは難しい。しかしデジタルアーカイブではそれが可能である。学習者の志向に即した解説、展示品、構成などを組み合わせて、学習者が自分の先行知識を利用して学習できるバーチャルミュージアムを開発する。

  2. 日本文学研究専攻(国文学研究資料館)活用方法
     NIMEではメディアと人間の関係を文理両面から研究しています。文科系の研究でも最近ではテクノロジーを使った研究が盛んに行われています。ぜひNIMEを活用して、皆様の研究を発展させてください。
たとえばNIMEではバーチャルリアリティの研究が盛んです。またデジタルアーカイブについても研究しています。貴重な文化財を分析する際にご参考にしてください。また各地の人々をインターネットで結びコミュニケーションを促進させる研究も行っています。世界を股にかけて研究をされている方にはぜひ利用してもらいたいシステムです。
私、奥本は通常NIMEで研究しておりますので、お電話でもメールでも、あるいは直接来られても対応可能です。皆様がNIMEのリソースを活用されて、ご研究をご発展できるよう努めてまいりたいと思います。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     私の研究は博物館の中にある文化財というコンテンツをどう活用させていくかという研究です。しかし文化科学研究科の他専攻では文化というコンテンツそれ自体の研究を行ってらっしゃいます。文化科学研究かで明らかになった文化の魅力というものを、うまくテクノロジーを利用したNIMEの研究で世に広めていけたらと期待しています。

 

紅林 健志 日本文学研究専攻(国文学研究資料館)
(新規) 任期:平成18年10月1日~平成18年2月28日
  E-mail :
  1. 博士論文研究の概要
      建部綾足の文学活動を中心とした近世小説その他散文の研究。特に、「和文」という近世中期以後国学者の間で流行した擬古文に着目し、その文体の背後にある表現意識のあり用についての考察を行っている。なぜ近世の人間が源氏万葉の語彙で文章をつづらねばならなかったのか、また、それが中世以降、連綿とつづく擬古物語の歴史といかに関わってくるのか、といった問題について多角的なアプローチで解明を試みたい。

  2. 日本文学研究専攻(国文学研究資料館)活用方法
     国文学研究資料館は、館所蔵の典籍類と共に、マイクロフィルム化した国内外の公共・私設・大学図書館および文庫・研究所所蔵典籍類の閲覧・複写(一部不可の典籍あり)が可能である。加えて、日本文学研究に関する研究書・雑誌も多く揃えている。また、日本文学研究に関連するデータベースの作成・公開も行っており、日本文学・文化の研究者に対し、研究のための資料、ツールの提供を行っている。
当専攻の支援相談員としては、他専攻の方々が、基盤機関である国文学研究資料館所蔵の資料を利用される時や、また当館で行われる展示・研究会・シンポジウム参加の際に、最大限のサポートが出来ればと考えている。

  3. 「総合日本文化研究実践教育プログラム」について
     視野狭窄に陥らないために、他専攻、他分野との交流の必要性はこれからいやましに高まっていくことになると考えている。単なる基盤機関の相互利用に留まることなく、活発な議論の場をつくり、それぞれの研究に対し、新たな視点を与える役割に大変期待している。