今回の事業の目的は韓国出土の後期無文土器時代~原三国時代及び楽浪土器の実物を観察してその土器に着いている炭化物を採取することである。土器に直接着いている炭化物は木炭などに比べると伴う土器の型式が分かるためにとても良い試料である。そして、型式学的に明確に位置づけられた土器に炭化物が残っていたらその試料を採取して、土器型式を用いたウィグルマッチ法を適用するにはとても良い試料である。私の今回の目的は炭化物を採取する基本的な方法と全般的な過程を習得することである。 炭化物採取の全般的な過程はお供した主任指導教員である藤尾先生から学ぶことができた。
炭化物を採取する方法と道具は意外に簡単なものだった。むしろどんな試料が炭素14年代測定をするのに良い資料なのかを選別するのが難しかった。そして、韓国ではまだ炭素14年代測定に関する研究が活発に行われていなくて、土器に着いている炭化物に対する認識が不十分なので出土した土器をきれいに洗浄してしまった整理ずみの土器資料では炭化物を見つけにくい。
まず韓神大学校博物館が所蔵している風納土城出土土器と百済時代の住居址で出土した土器に付着した試料を採取した。大部分が洗浄によって炭化物がほとんど残っていなかった。しかし土器を成形する時に行ったタタキの格子打捺文の凹部に着いていた炭化物が残っていたので、それを対象にした。 その中でも一番よく炭化物が残っている試料を選別して、風納土城出土土器3点、龍仁水枝百済住居址で出土した土器2点の炭化物を採取した。 次に慶南発展研究院歴史文化センターで現在発掘調査中の晋州市平居洞遺跡の試料を採取した。住居址床面に残っている木炭を含めて同じ住居址で出土した突帯文土器の内面に着いていた炭化物を採取した。特に未洗浄の突帯文土器の内面には多量の炭化物が良好に残っていた。 |