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文化科学研究科リサーチ・トレーニング事業 研究成果レポート

林 海福(メディア社会文化専攻)

1.事業実施の目的

国際学会での発表

2.実施場所

LISBON, PORTUGAL

3.実施期日

平成23年6月26日(日)から7月3日(日)

4.成果報告

●事業の概要

 ED-MEDIA 2011は、メディアとテクノロジの教育国際会議で、教育上のコンピューティングの促進のために協会によって組織された団体である。毎年の開催形式は、Keynote Speakers からはじめ、Full & Brief Papersや、Panels、Posters/Demonstrationsなど様々な発表形式が主になる。今年は、6月27~7月1日にポルトガル・リスボンのTechnical University of Lisbonで開催された。本会議は、5日間に渡って研究分野別の多彩なセッションという構成で開催された。発表者は、世界各国からきたさまざまな幅広い専門分野の教育者・研究者であり、この会議に参加することによって、自分の専門分野における先進的な科学技術の交流ができた。
 なお、申請者の発表は、Full Papersの発表形式で6月28日の午後に行った。

●学会発表について

【発表テーマ】
「Product Analysis Learning Method: Collaborative Learning and List of Analysis Items」

【概要】
 プロダクトデザイン分野において、製品分析は、企業が求めるデザイン能力の一つであり、デザイン企画を行うための市場調査方法の一つとして不可欠である。しかし、製品分析教育はこれまでデザイン教育の中であまり行われてこなかった。そこで、本研究では、複数の学習者が協調的に製品分析を行うことによるデザイン学習法を提案する。その提案は、Brunoによる分析項目リストを取り入れることによって初心者でも多視点から分析できることと、協調的な学習を取り入れることによって客観的に分析できることという特徴がある。この提案を用いて、実際にデザイン学部の大学生を対象とし、特定の製品分析の実験を行い、その妥当性を評価した。
 その結果、本提案の学習法の有効性について、次のことが検証できた。(1)初心者である学習者でも多視点から製品を分析でき、製品分析の質が高まる効果がある。(2)製品分析を行うことで、製品の意図を理解したうえ、製品の改良の方向性もはっきりする効果がある。

【得られた意見】
・ 本提案手法はどんなプロダクトを対象とするか?
・ プロダクトの対象によって製品分析の視点が違うではないか?

●本事業の実施によって得られた成果

 海外への国際会議に参加するには、旅費や滞在費が高くて、学生にとっては負担が大きいものですが、学術交流はその分野の成果を知る貴重な情報源となりますので必要です。本事業の支援をいただいたお陰で、国際会議に参加することができ、他国の学術者・研究者との研究成果の交流ができました。たいへん感謝しております。
 本事業は学生の研究生活の中で、最も心の支えになる存在で、今後も続けていただけることを心から願っています。

●本事業について

 国内外の調査にたいして研究資金を補助する本事業は、学生の経済的、精神的負担の軽減につながる。今後も学生への支援を続けていただきたい。