国内外フィールドワーク等派遣事業 研究成果レポート





渡部鮎美(日本歴史研究専攻)
 
1.事業実施の目的 【c.国内フィールドワーク派遣事業】
  南房総市富浦町丹生地区における農業技術の選択と評価に関する調査
2.実施場所
  千葉県南房総市富浦町丹生地区
3.実施期日
  平成18年6月8日(木) から 平成18年6月23日(金)
4.事業の概要
 

 本事業では枇杷栽培において技術の選択と評価がどのように行われてきたのかを計量・計測や聞き取りといった方法で調査した。具体的には枇杷の詰み取りから出荷までの作業の観察、それらにかかる労働時間の計測を行った。合わせて、枇杷出荷の際に出る廃棄物の量も調査をし、生業の全体像の把握も目指した。調査は農家宅に住み込みで行い、期間中は出荷場へも出向き、統計では把握できない日ごとの出荷内容についても調査をした。また、聞き取り調査は上記の集落だけではなく、枇杷出荷作業の雇用者にも対しても行った。

5.本事業の実施によって得られた成果
   本調査を行うことによって、枇杷栽培の計量的なデータを取得することができた。労働時間の計測や出荷内容から作成したこの計量データは今後、博士論文の一部となる「枇杷栽培技術の選択と評価」についての論文を書く上で十分活用できると考えている。また、枇杷栽培技術の変化は複合される生業の変化と合わせて考えることが重要だという知見を得た。特に複合される生業の変化と現在まで続けられている枇杷栽培は単に組み合わせの変化だけでなく、各々の生業の変化という面からもとらえる必要があると感じている。
 さらに、本調査では枇杷栽培に伴う水田や畑地利用の実態が明らかになってきおり、今後、裏付け資料などを活用して考証したいと思っている。論を展開できる見込みがあると思われる。
また、今回の調査では枇杷栽培以外に地域の河川の利用や廃棄物の処理、野生動物による作物の食害についても調査をすることができた。今後の研究の幅を広げる上でこうしたデータも活用していければと考えている。
6.本事業について
    本事業がさらに多くの学生に有効に活用されることを望みます。
  書類については、専攻長や主任指導教員の不在時には印をいただけないため、提出が遅れることがありますので、提出期間にもう少しの猶予をいただけるとありがたく存じます。

 
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