
野生動物が家畜になることにより様々現象が起きる。その様々な現象を家畜化現象という。その現象は幾つかが言われており、以下のようなことがよく言われている。
1.骨格が小さくなる。 | 5.骨格が肥大化する。 |
2.大きさの多様性が大きくなる。 | 6.病気が多くなる。 |
3.頭蓋骨が短くなる。 | 7.若い個体が増加する。 |
4.歯の変形が起きる。 | 8.早熟化する。 |
動物考古学では上のような家畜化現象を遺跡から出土する動物骨から把握し研究を進めている。その中でも骨格や頭蓋骨が小さくなることは計測することにより明かすことが可能である。ともに、頭蓋骨が小さくなることにより、歯の大きさが小さくなるため、歯の計測が家畜研究によく用いられている。
韓国の南東海岸の三つの遺跡についてイノシシの歯の計測を行った。三つの遺跡の時期は三韓時代(BC3世紀~AD3世紀)と三国時代(AD3世紀からAD7世紀)前葉の遺跡である。三つの遺跡はこの時期の貝塚としてよく知られている。
歯の計測は大臼歯を対象にして行った。計測の部位は図2のようである。計測の結果、この時期の韓半島には二つの大きさのイノシシが存在したと考えられる。このイノシシのどちらがブタに各当するかは今後もっと多くの資料の分析を行う必要がある。