平成18年度学生支援相談員1
1. 総合日本文化研究実践教育プログラム
文化科学研究科は平成17年度より各専攻の枠を越えて諸分野を有機的に連動させ、研究を発展させる「文化科学研究科総合日本文化研究実践教育プログラム」を行っている。このプログラムはイニシアティブ事業と称され、様々な単位で専攻間の共同研究を行ってきた。また国内外のフィールドワーク事業としても学生達に積極的に利用され、多くの成果を挙げてきた。
1.1 プログラム概要
文化科学研究科総合日本文化研究実践教育プログラムは、専攻を置く大学共同利用機関の高度な研究環境を横断的に活用し、所属専攻において学問諸分野に係る先導的で国際的に活躍できる高度な専門的知識・能力の修得を前提に、所属専攻の枠を超えて日本文化研究を中核とする関連諸分野と有機的に連動できる創造性豊かで優れた専門応用能力を涵養させる博士後期課程実践教育を行っている。本プログラムにより、学際的で先導的な文化科学研究を推進し、新しい日本文化研究へのチャレンジ精神を備えた創造性豊かな若手研究者の育成を図る。
1.2 事業群
本プログラムの事業は5つの事業群に分かれている。すなわち、
(1) 大学共同利用機関活用事業群
専攻専門科目履修等派遣事業
博士論文公開発表会等派遣事業
学術資料等活用事業
(2) プレゼンテーション事業群
研究科選定国際会議等派遣事業
国内外研究成果発表等派遣事業
(3) e-learning事業群
古事類苑データベース開発事業
e-learning書誌学開発事業
e-learning研究指導方法等調査研究事業
(4) 学生企画教育推進事業群
国内外フィールドワーク等派遣事業
学生支援相談員事業
学生合同セミナー事業
学生企画事業(Student Initiative Project)
(5) レフェリージャーナル事業群
e-journal「総研大文化科学研究」刊行事業
アドヴァイザリー・ボード評価事業
である。これらの事業の詳細については
http://www.initiative.soken.ac.jp/5jigyo/index.htmlを参照していただきたい。
1.3 文化科学研究科の専攻を置く基盤法人
総研大の他の活動同様、この総合日本文化研究実践教育プログラムも基盤機関との密接な連携のもとに行われている。専攻と基盤機関の関係は下記のようになっている。
国際日本研究専攻(国際日本文化研究センター/京都市)
日本歴史研究専攻(国立歴史民俗博物館/千葉佐倉市)
日本文学研究専攻(国文学研究資料館/東京品川区)
メディア社会文化専攻(メディア教育開発センター/千葉市)
地域文化学専攻(国立民族学博物館/大阪吹田市)
比較文化学専攻(国立民族学博物館/大阪吹田市)
2. 第二回総研大文科フォーラム
「総研大文科フォーラム」はこの一年間のイニシアティブ事業の成果を学生が発表すると共に、他専攻の教員と知りあう交流の場として計画された。平成17年度は「学生合同セミナー」という名称で、静岡県掛川市のヤマハつま恋リゾートを会場として開催され、平成18年度は「文科フォーラム」と名前を変え、各専攻から、教員、学生共に多くの参加者があり、大規模なフォーラムになった。
このイベントでは、総合日本文化研究実践教育プログラムによって支援を受け、活動を行ってきた学生が、その成果を発表し、専攻横断的にその成果について討議をすることを目的としている。
一日目は教員と学生がお互いの研究テーマを語り合うレセプションを企画した。異なる専攻の教員、学生との歓談が和やかに行なわれ、順調なすべり出しであった。
二日目は午前中に各専攻の代表学生の口頭発表が、午後からはポスターセッションが行われ、イニシアティブ事業の成果を発表した。これら発表において、刺激的な新見の提示や活発な討論が行われ、交流と成果発表という二つの目的が同時に果たせたと思われる。参加者の感想も大変好評だった。
2.1 開催日時・場所
平成18年9月15日(金)17:00〜9月16日(土)16:00
国立オリンピック記念青少年総合センター
2.2 対象者
本研究科の学生及び教職員
参加者内訳
|
教員 |
学生 |
国際日本研究専攻 |
9名 |
8名 |
日本歴史研究専攻 |
5名 |
7名 |
日本文学研究専攻 |
6名 |
5名 |
メディア社会文化専攻 |
4名 |
7名 |
地域文化・比較文化専攻 |
5名 |
12名 |
計 |
29名 |
39名 |
この他、学長、副学長を始め、他研究科の先生の参加、事務職員の方々の参加などがあり、参加者総数は92名であった。
2.3 タイムテーブル
当日のタイムテーブル
1日目(9月15日金) 教員と学生の交流 |
17:00−18:00 |
学生は適宜、会場に集合(国際交流棟1Fレセプションホール)
(集合場所は国際交流棟1Fレセプションホール前) チェックイン(鍵・16日の昼食券) ・・・宿泊棟(当日配布する宿泊表に記載) |
18:00−18:20 |
開会式・・・国際交流棟1Fレセプションホール |
18:20−20:00 |
夕食会・・・国際交流棟1Fレセプションホール |
【自己紹介(名札)を元にした教員との対話】
自分の研究のキーワード(5つくらい)、修士論文やこれまでの研究を他専攻の人にわかるように説明。翌日の個別ポスター発表聴講の参考とする。 |
20:00−21:30 |
自由に飲食・対話 |
21:30以降 |
宿泊・・・宿泊棟へ |
2日目(9月16日土) 学生同士の交流 |
〜9:00 |
目覚まし係とシーツ集め、チェックアウト(荷物は310へ各自) |
9:00〜 |
当日の参加者受付 |
8:00−9:00 |
朝食 |
|
各自、適宜 |
9:30−12:00 |
口頭発表(学生)・・・センター棟310 |
|
各専攻の口頭発表
パネルディスカッション形式で質疑応答開始(各専攻ごとに一人の教員がパネラー) 15分(発表)+10分(質疑)+5分(休憩)=30分
長沼(9:30−9:55) 南出(10:00−10:25)
藤野(10:30−10:55)
梅 (11:00−11:25)
松岡(11:30−11:55) |
12:00−13:00 |
昼休み(昼食券を持って昼食会場へ) |
|
各自、適宜 |
13:00−15:30 |
ポスター発表 |
|
関心のある研究、調査の発表を自由に聴講。議論。 |
15:30−16:00 |
閉会式 |
3. 今後に向けて
今回の「文科フォーラム」の成功を機に、文化科学の専攻間の交流がますます活発化し、互いに実りある研究活動が出来ることを期待する。さらに、今後は「文科フォーラム」を文化科学研究科の中だけに限定せず、他研究科や他大学にも開かれたものにする予定である。
最後に「文科フォーラム」実行委員一同、参加者やご協力いただいた方々に深く感謝の意を表したい。文科フォーラムが成功したのも、参加してくださった学生の皆様、発表者の皆様、そして先生方の協力と熱意があったからである。今後はぜひ総研大の他研究科や他大学の学生、先生方にもご参加いただき、ますます文科フォーラムの輪を広げていきたいと思っている。
1平成18年度学生支援相談員
梅定娥 国際日本研究専攻
KORNEEVA SVETLANA 国際日本研究専攻
根津朝彦 日本歴史研究専攻
西山剛 日本歴史研究専攻
三野行徳 日本歴史研究専攻
村山絵美 日本歴史研究専攻
奥本素子 メディア社会文化専攻
石橋嘉一 メディア社会文化専攻
伊藤潤 日本文学研究専攻
一戸渉 日本文学研究専攻
紅林健志 日本文学研究専攻
友永雄吾 地域文化学専攻
中村真理絵 比較文化学専攻